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Web制作の内製化とは?判断軸・失敗パターンと外注に頼らない進め方

Web制作の内製化とは?判断軸・失敗パターンと外注に頼らない進め方

Web制作を外注し続けるうちに、コストの高さや修正対応の遅さに悩み「そろそろ内製化すべきか」と考えていませんか。じつは内製化は、大人数を採用したり高額なツールを導入したりしなくても始められます。ただし「人を採用すれば解決する」という思い込みで体制構築が頓挫するケースは少なくありません。なぜなら内製化の成否は、業務設計と運用ルールづくりにかかっているからです。失敗を避けながら着実に進めたいなら、内製と外注の二択ではなく外部の伴走で立ち上げる方法を選びましょう。ここでは内製化の判断軸とよくある失敗パターン、GOROの研修事例をもとにした進め方を紹介します。

Web制作の内製化とは?基本の理解とメリット・デメリット

Web制作の内製化とは、Webサイトの更新・改善・新規制作といった業務を、外部の制作会社に委託せず自社の担当者が担う体制のことです。結論からいえば、内製化は「全部を自分たちでやる」か「外注を続ける」かの二択ではなく、業務の一部を切り出して自社で担う「部分内製」から始めるケースが大半です。まずは内製化の定義とパターンを整理し、判断軸を考える前提を揃えていきましょう。

内製化の定義とよくあるパターン(一部内製・完全内製)

内製化には大きく2つのパターンがあります。

パターン 内容 向いているケース
一部内製 更新作業や軽微な改修(テキスト・画像の差し替え、バナー作成など)のみ自社で対応し、大規模な改修や新規制作は外注を継続 更新頻度が高く、外注コストが積み上がりやすい企業
完全内製 企画・デザイン・実装・公開・運用まで一連の工程を自社チームで完結させる Web活用がマーケティング戦略の中核を占め、継続的な改善サイクルを回したい企業

多くの企業は最初から完全内製を目指すのではなく、更新業務などの一部内製からスタートし、社内にノウハウが蓄積された段階で対応範囲を広げていく進め方を取っています。いきなり完全内製化を目指すと後述するデメリットが大きく表面化しやすいため、段階的な設計が重要になります。

内製化のメリット:スピード・コスト・ナレッジ蓄積

内製化の主なメリットは、次の3点に整理できます。

  • スピードの向上:外注時に発生する見積もり・スケジュール調整・確認のやり取りが不要になり、修正や公開までのリードタイムが短縮される場合があります
  • コストの最適化:更新頻度が高い業務ほど、外注費が積み上がりやすい傾向があります。内製化によって、こうした継続的な外注コストを抑えられる場合があります
  • ナレッジの蓄積:自社サイトの構造やユーザーの反応データが社内に蓄積され、施策の改善サイクルを自分たちの判断で回せるようになります。外注先に依存せず、意思決定のスピードを上げられる点も大きな利点です

特に「小さな修正のたびに外注先へ依頼するのが煩わしい」「施策のPDCAを自分たちのタイミングで回したい」と感じている企業にとって、内製化は業務の主導権を取り戻す手段になります。

内製化のデメリット:体制構築の負担と品質のばらつき

一方で、内製化には見落とされがちな負担も存在します。

  • 体制構築の負担:担当者の育成、ツールの選定、業務フローの整備など、内製化を立ち上げるまでの準備に相当な時間とエネルギーがかかります。特に「学んだはずなのに実務に落とし込めない」というギャップは、内製化検討時によくつまずくポイントです
  • 品質のばらつき:専門の制作会社と違い、デザインや実装の経験が浅いメンバーが担当することで、サイトのクオリティやブランドイメージに差が出やすくなります
  • 属人化のリスク:担当者が異動・退職した場合に、業務が引き継げず内製体制そのものが機能停止してしまうケースもあります

こうしたデメリットは「内製化そのものが悪い」ということではなく、「準備不足のまま進めると起きやすい失敗」だと捉えるべきものです。実際、汎用的な研修を導入しただけで自社の業務フローに落とし込めず頓挫してしまう例は少なくありません。次の章では、自社が内製化に向いているかどうかを見極める具体的なチェックポイントを見ていきます。

内製化すべきか?判断軸となる5つのチェックポイント

内製化のメリット・デメリットを理解したうえで、次に気になるのは「では自社はどちらに当てはまるのか」という点でしょう。ここでは、内製化に踏み出す前に確認しておきたい5つのチェックポイントを紹介します。すべてに「Yes」が出なくても問題ありません。まずは自社の現状を客観的に見える化することが目的です。

更新頻度と社内リソースのバランス

Web制作の内製化が向いているかどうかは、まず「更新頻度」と「それに割ける社内の手数」のバランスで見えてきます。

  • サイト更新やLP追加が月に数件以上発生している
  • 「ちょっとした修正のたびに外注先に依頼→数日待つ」がストレスになっている
  • 更新業務を担当できる人員(専任でなくても兼務可)が最低1名は確保できる

更新頻度が高いのに社内リソースが薄いままだと、内製化しても対応が追いつかず「結局外注に戻す」というパターンに陥りやすくなります。逆に更新頻度が低い場合は、内製化のコストをかけるより外注のスポット対応で十分というケースもあります。

求める成果物のレベルとデザインの複雑さ

次に確認したいのは、自社が求めるWebサイトのクオリティです。

求める成果物 内製化の相性
テンプレートベースのLP・お知らせ更新 相性が良い
ブランドイメージを重視した凝ったデザイン ノウハウ蓄積に時間がかかる
高度なアニメーション・インタラクション 外部の専門知識が必要になりやすい

「これまで外注してきたクオリティを、そのまま内製で再現できるか」は多くの担当者が見誤りやすいポイントです。デザインの複雑さが高いほど、内製化初期は外部の知見を借りながら基準を作っていく方が現実的です。

社内にWeb担当を専任で置けるかどうか

内製化の成否を左右する最大の要因の一つが、Web担当を専任で置けるかどうかです。

  • 専任者を1名以上アサインできる
  • 兼務であっても、Web業務に週何時間確保できるか具体的に見積もれている
  • 担当者が異動・退職した場合の引き継ぎ体制をイメージできている

「誰かが空いた時間にやる」という体制でスタートすると、業務の優先順位が下がり続け、内製化そのものが自然消滅してしまうケースが少なくありません。専任が難しい場合は、兼務でも運用ルールを明確に決めておくことが分かれ道になります。

中長期での事業成長スピードとの整合性

内製化は「今の課題を解決する手段」であると同時に、「中長期の事業スピードに合っているか」も見ておく必要があります。

  • 今後1〜2年でサイトの改修・拡張が頻発する見込みがあるか
  • 新規事業やキャンペーンの立ち上げに合わせて、Webサイトを素早く動かしたい場面が増えていくか
  • 事業のスピード感に対して、外注のリードタイムがボトルネックになっていないか

事業の成長スピードが速いほど、外注の調整コストが経営のスピードを削ってしまいます。内製化はこの「スピードのズレ」を解消する手段として機能しますが、逆に事業が安定期であれば、無理に内製化を急ぐ必要はないとも言えます。

経営層のコミットメントの有無

最後に、そして最も見落とされがちなのが、経営層のコミットメントです。

  • 内製化の目的・投資対効果を経営層と共有できているか
  • 立ち上げ期に一定の学習コスト(時間・予算)がかかることへの理解を得られているか
  • 短期的な成果が出なくても、方針としてバックアップしてもらえる関係性があるか

内製化は多くの場合、最初の数ヶ月は「思うように成果物が作れない」時期を伴います。ここで経営層の理解がないと、現場の頑張りだけでは継続が難しくなります。過去に汎用的な研修を導入して自社業務に落とし込めず頓挫した経験がある企業ほど、この「経営層の後ろ盾」の有無を事前に確認しておくことが重要です。

5つのチェックポイントを見渡すと、内製化の可否は「気合い」や「ツールの有無」ではなく、体制と合意形成の設計で決まることが分かります。とはいえ、ここで無理に結論を出す必要はありません。次のセクションでは、実際に内製化を進めた企業が陥りやすい典型的な失敗パターンを見ていきましょう。自社が同じ轍を踏まないためのヒントが見えてきます。

内製化が頓挫する典型的な失敗パターン

チェックポイントを確認して「うちも内製化できそうだ」と感じても、実際の現場では思わぬところで頓挫してしまうケースが少なくありません。ここでは、Web制作の内製化がうまくいかなくなる典型的な4つのパターンを紹介します。自社が同じ轍を踏まないよう、先に「よくある失敗の型」を知っておきましょう。

「人を採用すれば解決する」と思い込むパターン

内製化を検討し始めると、まず「Web担当者を1人採用しよう」という発想に行き着きがちです。しかし、採用だけで内製化が完結することはほとんどありません。

  • 採用した担当者が独力で判断できる業務範囲が定まっておらず、結局すべての業務を1人に丸投げしてしまう
  • 制作スキルはあっても、社内の意思決定フローや過去の制作物の背景を理解するまでに時間がかかる
  • 新しく採用した担当者に「教える人」がいないため、実質的に手探りで業務を組み立てることになる

採用は「内製化の器」を作る手段の一つに過ぎず、業務フローや教育体制が伴わなければ、優秀な人を採っても機能しません。

ツール導入だけで満足し運用が続かないパターン

ノーコードツールやCMSを導入すれば内製化できる、という考え方も広く見られます。実際、ツール自体の使いやすさは年々向上していますが、導入直後は使われても、数ヶ月後には更新が止まってしまうケースが目立ちます。

よくある状況 起きていること
導入直後は担当者が意欲的に更新 業務の優先順位が下がり、更新が後回しになる
ツールの使い方は覚えた 「何を」「どう変えるべきか」の判断基準がない
制作会社への発注をやめた 代わりの運用ルールが整備されていない

ツールは「作業を楽にする道具」であって、更新を続ける仕組みそのものではありません。運用ルールや更新の目的が明確でなければ、ツールだけでは内製化は定着しないのです。

ノウハウが1人に集中し退職で崩壊するパターン

内製化がある程度うまく回り始めた頃に起きやすいのが、この「一人依存」の崩壊です。

  • Web制作の知識・進め方が特定の担当者の頭の中にしかなく、マニュアルや引き継ぎ資料が存在しない
  • その担当者が異動・退職したタイミングで、更新も改善もすべて止まってしまう
  • 「あの人がいたから内製化がうまくいっていた」という状態は、実は内製化が成功していたのではなく、属人化していただけ

内製化の本来の目的は「外部に依存しない体制」を作ることですが、担当者1人に依存する体制は、外注先を1人の社員に置き換えただけにすぎません。仕組み化・言語化が伴っていない内製化は、いつか同じ形で崩れます。

汎用研修を受けたが自社業務に落とし込めないパターン

内製化に向けて、外部研修やeラーニングを導入する企業も増えています。しかし「研修を受けたのに、結局実務で使えなかった」という声も少なくありません。

よくある原因は次のようなものです。

  • 研修内容が一般的なツールの使い方の説明に終始し、自社の商材・業務フローに合わせた実践がない
  • 研修が「わかった気になる」座学中心で、実際に手を動かして成果物を完成させる体験がない
  • 研修後、実務に落とし込むための続きのサポートがなく、学んだ内容が数週間で忘れられてしまう

実際、GOROがオフラインで実施したmenu社向けのClaude Code研修では、UIUXデザイナー10名を対象に、事前ヒアリングで業務内容を把握したうえでプログラムをカスタム設計しました。当日は採用サイトの制作とヒューリスティック評価の自動化という、実際の業務に直結する成果物を完結させています。「わかった気になって終わる」研修と、「その場で動くものが完成する」研修の差は、その後の実務への定着度に大きく影響します。汎用的な研修そのものが悪いわけではなく、「自社の業務に落とし込む設計」が欠けていることが、失敗の本当の原因なのです。


こうした失敗パターンに共通するのは、いずれも「内製化そのもの」が間違っていたわけではなく、進め方や体制づくりのどこかに抜け漏れがあったという点です。裏を返せば、失敗の型を事前に知っておき、適切な進め方を選べば、内製化は十分に実現可能だということでもあります。では、内製化と外注の二択で悩む前に、検討すべき第3の選択肢とは何でしょうか。次のセクションで詳しく見ていきましょう。

内製化 vs 外注、そして「外部の伴走で内製化を立ち上げる」という第3の選択肢

ここまで見てきた失敗パターンの多くは、「内製化するか、外注を続けるか」を二択で考えてしまうことに起因しています。実際にはこの2つの間に、もう1つの選択肢が存在します。それぞれの限界を整理しながら、第3の道を見ていきましょう。

完全外注のメリットと限界

外注には確かな安心感があります。専門知識を持つプロに任せられるため、一定の品質が保証されやすく、社内にスキルがなくてもWeb制作を進められます。

一方で、外注を続けることで生じる限界もあります。

外注のメリット 外注の限界
専門的な品質を確保できる 修正1つに数日〜数週間かかることがある
社内にスキルがなくても進められる 依頼のたびにコストが発生し、積み上がっていく
制作の手離れが良い 社内にノウハウが残らず、担当者が変わると振り出しに戻る
大規模・複雑な制作に対応できる 「ちょっとした修正」も外注先に依頼する必要がある

外注の限界は、突き詰めると「スピード」と「ノウハウの蓄積」の2点に集約されます。外注コストの増加とスピード不足に悩んで内製化を検討し始めた方にとって、この2点はまさに今課題になっている部分ではないでしょうか。

完全内製のメリットと限界

一方、完全内製にもメリットと限界の両方があります。

メリット

  • 修正や更新をスピーディーに社内で完結できる
  • 外注コストを抑えられる
  • 制作の意図や背景を理解した担当者が直接手を動かせる

限界

  • 前のセクションで見た「頓挫パターン」に陥るリスクがある
  • 立ち上げ期は既存業務と並行してスキルを習得する必要があり、負荷が高い
  • 専門性の高い制作(大規模サイトのリニューアルなど)は依然として外部の力が必要になる場合がある

完全内製は理想的ですが、ゼロから自社だけで立ち上げようとすると、汎用的な研修を導入して自社業務に落とし込めなかった、というような苦い経験を繰り返すリスクがあります。内製化への意欲と、実際に軌道に乗せられるかどうかは、別の問題なのです。

第3の選択肢:外部の伴走で内製化を立ち上げる仕組み

完全外注と完全内製、どちらにも限界があるとすれば、両者の良さを組み合わせる方法はないでしょうか。それが「外部の伴走で内製化を立ち上げる」という選択肢です。

考え方はシンプルです。

  1. 立ち上げ期は外部の専門家が伴走する:自社の業務フローに合わせてカスタム設計された研修・コンサルティングを受け、実際の制作を進めながらノウハウを社内に移転する
  2. 軌道に乗った後は社内で運用する:立ち上げ期に習得したスキルとフローを使って、日常的な更新・修正を自走できるようにする
  3. 必要な時だけ外部に相談する:大規模な制作や新しい課題に直面したときは、引き続き外部の知見を借りる

この仕組みの利点は、内製化特有の「立ち上げの壁」を外部の力で乗り越えられることです。研修だけで終わらせず、その後もコンサルティングとして伴走が続く2層構造であれば、「研修を受けたが自社の業務に落とし込めなかった」という失敗を避けやすくなります。

実際に、フードデリバリーサービスを運営するmenu社のUIUXデザイナー10名を対象に、こうした伴走型の研修を実施した事例があります。事前のヒアリングで実際の業務内容を把握したうえでプログラムをカスタム設計し、研修当日には採用サイトの制作とヒューリスティック評価の自動化という、実際に使える成果物を完成させています。コードを書いたことのないデザイナーであっても、日本語での指示だけで当日中に動くものを作り切れる、という結果は、「わかった気になる」で終わる一般的な研修とは一線を画すものでした。

内製化を「いきなり自社だけで完結させる」のではなく、「外部の伴走を借りて立ち上げ、徐々に自走に移行する」という発想に切り替えることで、過去の失敗経験があっても再挑戦しやすくなります。次のセクションでは、この考え方をもとにした具体的な進め方を4つのステップで整理します。

内製化を成功させる進め方4ステップ

「外部の伴走で内製化を立ち上げる」という選択肢が見えてきたら、次に気になるのは「実際に何から手をつければいいのか」でしょう。内製化は思いつきで始めると必ずどこかで頓挫します。ここでは、失敗パターンを踏まえたうえで着実に進めるための4つのステップを紹介します。

内製化を成功させる進め方4ステップ:現状を可視化する→小さく始めて成果物を作り切る→AIツールで制作範囲を広げる→運用ルールを整備し定着させる

ステップ1:現状の業務とスキルレベルを可視化する

最初にやるべきは、いきなりツールや人材を探すことではありません。「誰が」「どの業務を」「どのレベルまでできるのか」を棚卸しすることです。

確認項目 具体例
業務内容 バナー修正、LP更新、フォーム設置、既存ページの文言変更など
担当者 マーケ担当、デザイナー、Web担当、情シスなど誰が対応可能か
現在のスキル Webの知識ゼロ/ツール操作は可能/コードは書けない、など段階を明確に
依存度 外注先にしか対応できない業務はどれか

この棚卸しをすることで、「内製化しやすい業務」と「まだ外注に頼るべき業務」の線引きができます。すべてを一気に内製化しようとせず、切り出せる範囲から着手するのが失敗を避ける最大のポイントです。

ステップ2:小さく始めて成果物を作り切る

現状把握ができたら、次は小さなスコープで「実際に手を動かして完成させる」経験を積むことです。ここで重要なのは、研修や勉強会で「やり方がわかった」ところで終わらせないことです。

内製化への挑戦が頓挫する多くのケースは、学んだ知識を実務に落とし込む前に熱量が冷めてしまうことが原因です。過去に汎用的なWeb研修を導入して形骸化してしまった経験がある企業であれば、このリスクはなおさら軽視できません。

その対策として有効なのが、「1回の取り組みで必ず何かを完成させる」というルールを最初から決めておくことです。実際に、menu社ではUIUXデザイナー10名を対象に、コードを書いたことのないメンバーでもオフラインの研修当日中に採用サイトの制作とヒューリスティック評価の自動化を完結させた実例があります。「わかった気になる」で終わらず、手元に成果物が残る体験をしたことが、その後の実務定着につながったポイントです。

自社で内製化を進める際も、初回のテーマは「1週間以内に完成できる小さな成果物」に絞ることをおすすめします。

ステップ3:AIツールで非エンジニアの制作範囲を広げる

小さな成功体験を積んだら、次に検討したいのが対応範囲の拡大です。ここで壁になりやすいのが「コードが書けないと対応できる業務が限られる」という思い込みです。

近年は、日本語の指示だけでWebページの制作や修正を進められるAIツールが登場しており、非エンジニアが対応できる範囲は着実に広がっています。

  • コードを書かなくても、指示文(プロンプト)を工夫することでページの構造修正やコンテンツ生成が可能
  • デザイナーやディレクターが従来「エンジニアに依頼するしかなかった」作業の一部を自分で完結できる
  • 制作スピードが上がることで、外注コストの削減にも直結する

この分野の実態については、次の章で具体的なツールと活用例を詳しく解説します。

ステップ4:運用ルールを整備し定着させる

内製化は「一度成功したら終わり」ではありません。属人化を防ぎ、チーム全体で回せる状態にするための運用ルールが必要です。

整備すべき項目 内容
品質チェックの基準 公開前に誰が何を確認するか(表示崩れ、リンク切れ、文言の誤りなど)
承認フロー どの範囲の修正なら担当者の判断で公開できるか
ナレッジの共有方法 作業手順やAIツールへの指示例をドキュメント化し、担当者が変わっても再現できる状態にする
振り返りの機会 月次などで内製化の進捗と課題を確認する場を設ける

ここまでのルールが整うと、内製化は「特定の誰かの頑張り」に依存せず、組織の仕組みとして定着します。特にステップ3で触れたAIツールの活用は、この定着フェーズでも威力を発揮します。次の章では、非エンジニアでも扱えるAIツールの実例をより具体的に見ていきます。

非エンジニアでも内製化が進む時代—AIツール活用の実例

4つのステップを踏んでも、「結局は専門スキルを持った人材がいないと始まらないのでは」と感じる方も多いでしょう。しかし今、この前提そのものを変えているのがAIツールの進化です。ここでは、コードを書けない人でもWeb制作・改善の内製化に踏み出せる背景と、実際にあった具体的な実例を紹介します。

コードを書かずにWeb制作・改善ができる背景

これまでWeb制作の内製化における最大のハードルは「コードが書けないと何も作れない」という前提でした。しかし近年、日本語の指示だけでWebサイトの構築や改善作業を進められるAIツールが登場し、この前提が崩れ始めています。

代表的なものが「Claude Code」のようなAIコーディングアシスタントです。特徴を整理すると次のようになります。

従来の内製化のハードル AIツール活用後の変化
HTML/CSS/JavaScriptの学習が必須 日本語の指示文でコードを生成・修正できる
実装は専門人材に依存 デザイナーやディレクターが直接手を動かせる
修正のたびに外注・エンジニアへ依頼 気づいたその場で自分で試せる
学んでも実務に活かせるか不透明 実務データを使ってその場で成果物を作れる

つまり「内製化=エンジニアを採用しなければ始まらない」という思い込みは、もはや前提として成立しなくなってきています。判断軸としても、「人材を採用できるか」だけでなく「今いるメンバーがAIツールを使いこなせる体制を作れるか」という視点を加えて検討する価値があるのです。

研修当日に成果物を作り切った実例(デザイナー向け研修)

「話を聞くだけでは本当にできる気がしない」という不安に対して、参考になる実例があります。menu社のUIUXデザイナー10名を対象に実施されたオフライン研修です。

この研修では、事前に受講者の業務内容をヒアリングし、自社の実務に即したプログラムをカスタム設計しました。当日の内容と成果は次の通りです。

  • 対象:コードを書いた経験のないUIUXデザイナー10名
  • 成果物①:採用サイトの制作(企画から公開まで当日中に完結)
  • 成果物②:ヒューリスティック評価(デザインの使いやすさを点検する手法)の自動化

いずれも「わかった気になって終わる」研修ではなく、その日のうちに実際に動くものを完成させたことがポイントです。コードを書いたことのないデザイナーが、日本語の指示だけで実務レベルの成果物を作り切れたという事実は、「自社のメンバーでも本当にできるのか」という不安に対する、抽象論ではない具体的な答えになるはずです。

内製化の頓挫パターンとして先述した「学んだことが実務に落ちない」問題も、この進め方であれば起こりにくいことがわかります。研修の場そのものを実務の延長として設計することが、定着への近道なのです。

自社運用でも活用されているAI活用の実例

AIツールによる内製化は、一時的な研修の場だけの話ではありません。実際に日常業務として運用され続けている例もあります。

  • デザイン制作:ワイヤーフレームの作成やプロトタイピングにAIツールを日常的に活用し、デザインからHTMLプロトタイプへの変換なども実務で運用
  • レポート自動化:アクセス解析データと連携し、従来手作業だった週次・月次レポートの作成を、コマンド一つで実行できる形に整備
  • 提案資料・議事録の生成:ヒアリング内容を渡すと提案の骨子や見積のドラフトが自動で出てくる体制を構築し、会議の議事録作成にも活用

これらはいずれも、特別なプログラミング知識を持つ人材だけが扱っているものではなく、日々の業務の中で継続的に運用されている実例です。「一度きりの成功事例」ではなく「継続して使われている」という事実こそが、内製化を検討する上での信頼できる材料になります。

外注か内製かの二択で悩んでいた段階から一歩進み、「AIツールを使いこなせる体制をどう立ち上げるか」という視点に立てば、自社にとっての内製化はもっと現実的な選択肢に見えてくるはずです。そのための最初の一歩をどう設計するか、次に考えてみましょう。

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執筆:株式会社GORO編集部(記事制作にはAIを活用し、自社の実践・研修実績に基づいて制作しています) —運営者情報 / 代表・旭俊成の実践記録はnoteで公開しています